木のよさを最大限に活かした家とその魅力をアップする照明プラン

龍野市と揖保郡新宮町・揖保川町・御津町が合併して誕生した、たつの市。市の中心部には、今なお武家屋敷や白壁の土蔵が残り、龍野藩の城下町の面影から「播磨の小京都」と呼ばれています。今回、ご紹介する衛藤様邸は、そんな歴史のあるたつの市にぴったりな日本建築の一軒家。JRや山陽本線の最寄り駅からも近く、車でのアクセスも国道2号線すぐという抜群のロケーションに、大工さんである施主様自ら、有する技術を駆使してマイホームを建てられました。

(左) 当社担当 本社一課 営業係長 小嶋正憲
(右) 施主 衛藤伸之様


「真・行・草」の美意識をベースに
昔の庶民の家を現代風にアレンジ

生まれ育った地元、たつの市で「エトウ建築」という建築会社を営む衛藤様。日本建築に精通される大工の衛藤様ご本人が設計はもちろん施工も手掛けられました。美容師の資格を持つ奥様のために、美容サロン「華むすび」をご自宅に併設。凛とした佇まいが美しい、和風ながらモダンな現代的なイメージも併せ持つ一軒家にお邪魔して、お話を伺いました。

…日本の伝統建築ならではの粋を醸し出しながら、100%純和風でない、そのバランスが素晴らしいですね。

衛藤様
もともと昔ながらの日本の伝統建築に興味があり、手刻みの技法も習得しました。歴史の中で長い時間をかけて生まれた日本の空間造りには、今の生活でも生かせる知恵や工夫がいっぱいあります。自分の家は、明治・大正時代の昔の庶民の家を現代風にアレンジしようとイメージしていました。
小嶋
和な雰囲気をしっかり出していきながら、どこかでくずした部分も入れたいとのご希望でした。
衛藤様
本格的な伝統技法にのっとった純和風建築にしてしまうと重たくなってしまうため、くずし、遊び心を加えたいと思ったのです。ベースとなるのは、日本の伝統建築の「真・行・草(シンギョウソウ)」という美意識。「真・行・草」とはもともと「真書(楷書)・行書・草書」というように、書道の書体の種類を表す言葉なのですが、その考え方が書道だけでなく、華道や茶道・庭園などの表現にも広がり、茶道から茶室へ、そして建築様式にも用いられています。真は楷書、字の本来の形のもの、その対極で最も崩したものが草書の草、中間のものが行書の行。「少し変える、くずす、アレンジする」、余計なものをそぎ落とし「簡素化する」という美意識があり、あえて豪華ではなく、質素な佇まいを良しとする考え方です。私の家でも「真」や「行」や「草」を使い分けたり、または「行」と「草」両方を併せたりと色々工夫しています。
小嶋
なるほど、簡素化、質素化に侘び寂びを感じる、日本人ならではの考え方ですね。
衛藤様
見せる柱と隠す柱や、建具なども華美に見えないように気を配り、上品なイメージを目指しました。
小嶋
普段、お仕事では洋風な家、今風な建築をされることが多いとのことですが、ご自身のおうちとなると、思い入れもひとしおだったのでは?
衛藤様
自分の家は、普段の仕事では出来ないことをやってやろうと。「播磨の小京都」と呼ばれる、たつのゆえに、京都のような雰囲気を思い描きました。

杉や松、こだわりの日本の木を多用
自然素材満載の空間に心やすらぐ

…木を多用された空間で、心が安らぎます。香り、木の肌の美しさや艶、優しい手触り、足の裏の感触、音の響きなど、本物の木には、人の五感を癒す作用がありますね。

衛藤様
私はヒノキやケヤキよりも杉や地松の木目や風合いが個人的に好きなので、目につきやすい天井や玄関の下駄箱の建具のために1本の杉の木の原木を手に入れました。その他の周りは松の木、床はタモ材と使い分けています。和室は私が好きな松と杉に絞り込んで統一し、洋間はいろいろな木にチャレンジしました。
小嶋
木や土壁など、自然素材は本当に気持ちいいですね。自然光もたっぷりと入り、心やすらぎます。
衛藤様
自然光を上手に取り入れる日本家屋の伝統にならい、南側からの採光は窓を大きめにしてこだわりました。昔の設計を真似するのは簡単ですが、そこはやはりアレンジしたい。気を配ったのは、“心地よい明るさ”です。単に大開口で、陽光あふれる明るさでは、しっとりと深みのある、落ち着いた住まいにはなりませんからね。サッシの内側に障子をもうけることで、広い開口部がとれ、和紙越しのやわらかい光を楽しめますし、心地よい風通しを得ることができます。
小嶋
障子と無垢の木は相性もよく、おすすめですね。

すばらしい空間における照明は
雰囲気づくりためのひきたて役

衛藤様
自然光のみならず、照明も家の雰囲気を決める大切な要素なので、フジワラさんにいろいろとリクエストしました。
小嶋
衛藤様は重たい照明はお嫌というご意見でした。細工や装飾がしっかりされている和テイストの照明はどうしても機具が重たくなってしまいますので、和紙や手作り感のある昔風のガラスを使った照明器具など、自然で、重量感のない、味わいのあるものをご提案させていただきました。
衛藤様
リビングの照明は、フジワラさんに現場に何度も足を運んでいただき、光のバランスをみながら、決めていきましたね。天井に穴を開けて埋め込むダウンライトは後から位置を変えたり増やしたりすることはできないため、まずダイニングテーブルを置いて、そこからダウンライトの位置と数を検討しました。
小嶋
天井の杉の木と相反するアクリル板を照明カバーに選択し、厚めのアクリル板を使用しています。厚くなればなるほど光を通しにくくなるので、その分、ライトは明るめのものを入れ、お洒落な京都のバーのような雰囲気に。1階は見せる照明、2階はプライベート空間なので実用性を重視し、シーリングリモコンなど、使い勝手のいい照明をチョイスしています。
衛藤様
大工という仕事柄、知識があるからこそ色々な案が浮かんでしまって、ひとつに絞ることができず、あれこれと迷ってしまうんですね(笑)。あれもしたい、これもしたいという、優柔不断な私にフジワラさんはいつも的確なアドバイスしてくださいました。間接照明ひとつとっても、天井につけるのか、壁につけるのかによって、光り方が異なりますし、数ミリの位置の違いで、壁への反射、木の天井や建具への反射が変わってきます。照明のプロであるフジワラさんは細かく計算して、ベストなプランを提案。おかげさまで、快適な毎日をすごせています。
小嶋
衛藤様はお部屋全体のバランス、建具、すべてにこだわりを持っておられるので、照明が及ぼす影響力も責任重大です。こだわりの空間の魅力を活かすため、照明は主役にならず、ひきたて役に徹しようと思いました。照明のおさまり具合にも大工さんならではのこだわりがあり、見えている部分の高さに少しでも違和感を感じられると、薄く削られたり、難しい技巧にも挑戦して実現されるのが実にお見事。今後の仕事にも勉強になる現場でした。
衛藤様
大工の私とフジワラさんとで情報やイメージを共有しながら、図面上ではなく、フレキシブルに空間をつくっていけたのがよかったです。ここまで真摯に対応してもらえることが、フジワラさんの人気の証だと納得できました。

木と土壁と間接照明が絶妙にマッチ

天井板4mの和室の照明には、自然で、重量感のない、味わいのあるものをチョイス

自然な雰囲気の桜の一枚板のダイニングテーブルも衛藤様の手作り。ご本人が好きな樹種を選ぶことで、くつろぎの雰囲気を演出

奥様が切り盛りされる、着付けサロン「華むすび」。
お一人様用のカットスペースと、お母さんがカットしている間、子供が遊んで待っていられる畳のスペースも用意された、すっきりとシンプルなデザイン。お子様がいるママさんはなかなか遠出ができないため、都心部まで出かけずとも地元でカットや着つけができる、地域の貴重な存在。衛藤様のご自宅に併設したサロンながら、プライベート空間とはきちんと仕切りを設け、奥様のオンとオフの切り替えもきっちり。

ロールカーテンは、奥様とフジワラ担当者が話し合って決定。ブラウンの光のコントラストで窓辺の表情を愉しめます。

床の間にも照明を設けることで、ぐっと奥行き感を演出。骨董店から購入した掛け軸も光の演出で、侘び寂びを醸し出す。


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