今回のお相手は、「株式会社大彌リビング」代表取締役社長の能口仁宏さんと、同・設計課課長の松井伸一さんです。1950年に家具卸として創業されたのち、百貨店への卸、設計関係のコントラクトビジネスを行ってこられた「株式会社大彌リビング」。現在取引されている家具メーカーは古くからのお付き合いされる飛騨高山地区の家具メーカーをはじめ、国内外を合わせて300社以上、まさに家具のインデックスになるような会社です。対談場所は大阪の中心地・ナンバに程近い「株式会社大彌リビング」の"ダイヤリビング・ショールームスタイリングラボ"にて。ステキな家具に囲まれた空間で、家具業界の現況や仕事に対する思いなどのお話が次々と飛び出しました。

好きなテイストのものを組み合わせ、
空間に自分達らしさを生み出すこと

能口 仁宏さん

石堂
最近はライフスタイルが多様化され、ますますインテリアへのニーズも高まってきました。そんななか、家具の流通のプロとして幅広い商品を扱っておられる大彌リビングさんでしたら、どんなニーズにもきちんとご対応いただけるから安心です。本日、改めて1階から5階までショールームをじっくりと拝見し、その充実ぶりに感動しています。
能口様
こちらのショールームでは国内メーカー・北欧メーカーを中心に展示しています。飛騨地方の「日進木工」「イバタインテリア」を中心にしたダイニングフロア、「日本フクラ」「富士ファニチャ」「マルニ」を中心にしたリビングフロア、「日本ベッド」「ドリームベッド」「アイシンベッド」を中心にした寝室家具フロア、北欧家具を中心にしたシンプルモダンフロアなど、様々なスタイルが揃うんですよ。
石堂
いろいろなメーカーさんの商品を展示するとともに、情報発信基地にもなっているんですね。現在、何社ぐらいとお取引されているのですか?
能口様
取引会社は300社ほど、日々増えている状況です。ただ単に増やせばいいというのではなく、“本物”の家具を扱うメーカーさんを厳選しています。住宅でも商業施設でも、インテリアは単に飾って見るだけのものではありません。目に見える要素だけでなく、機能、健康、環境、安全など、多くの要素を考慮されて作られているメーカーさんとお取引させてもらっています。また通常、家具の卸というと、ご家庭用家具やコントラクト家具、もしくはゼネラルユースと専門が分かれているのですが、弊社はすべての分野を幅広く、取り扱っていることが強みなんですね。不況と言われるなか、生き残ってこられたのも、多彩なニーズに合わせてご提案してきたからこそ。そこはフジワラさんも同じだと思います。照明にしろ、カーテンにしろ、空調機器にしろ、お客様が本当に欲されるもの、ベストな空間に仕上げるためのものを、メーカーやブランドの垣根を越えてプランニングされていますものね。
石堂
確かに1メーカー・1ブランドでないことは好評いただいていますね。扱っているのは優良メーカーさんの素晴らしい商品ばかりですが、その中からさらに一歩進めて、よりお客様に合う、お気に入りの商品を見つけていただきたいと思っています。デザインがいい、機能・仕様が優れている、価格が安い…、“いい”と思うものはお客様によって異なります。だからこそ、いくつかのブランドを比較して選ぶことで納得度も高くなりますし、うまく組合わさることでデザインが引き立ったり、互いの機能を補ったリ、予算内に納めたりすることも可能となる。御社も様々なメーカーさんのデザイン・サイズ・色目の家具をそろえておられますよね。何度も家具のご相談をお願いしていますが、いつもイメージ以上に素敵なものをご提案いただいています。空間のデザインや目的を最大限に活かすコーディネートにいつも感激しているんですよ。
能口様
おかげさまで家具をコーディネートしてお届けする仕事も多くなりました。お客様のニーズや空間に対して、様々なメーカーの家具をスペックとして提案、そして納品・設置までトータルに家具をお届けします。既製品で合わない場合は、オーダー家具も承っています。


150坪の広々ショールームでは 
形、色、材質を視覚・触覚で確認

石堂 伸悟

石堂
ショールームでは、カタログだけでは伝わりにくい商品の詳細がわかるのがいいですね。カタログと現物では色目も雰囲気もやはり違います。お客様を御社ショールームにご案内し、ご要望や目的に合わせて見て、選ぶことで、お部屋をイメージしやすく、納品したときにも違和感がまったくない。またアクセスがよい大阪都心にあるので、ご案内しやすいのもいいですね。先日、お世話になった30歳代の若いご夫婦のお客様も大変喜んでおられました。マンションを購入してリノベーションされたものの、こだわりのダイニングルームにふさわしいものがなかなか見つからないとのことでしたが、こちらで購入された「カンディハウス」の家具がまさにイメージにドンピシャだったようです。
松井様
北海道・旭川の木工メーカー「カンディハウス」の家具は、ミニマルで研ぎ澄まされたデザインと存在感たっぷりの無垢材が美しいハーモニーを奏でています。ディテールにこだわるお客さまには特に好評いただいていますね。家具はデザインと機能性のバランスが大事です。例えば、ご夫婦でも、ご主人様と奥様では微妙に快適と思われるポイントが違うんですね。男性のご主人はサイズのゆったりしたもの、奥様は奥行きが浅くてもいいとか。ですから弊社ではソファだけでも一人掛けのアームソファからユニットになった大型タイプまで様々なものをご用意し、使われる方の生活感や感覚にしっくりくるものはどんなものか、イメージを膨らませながら、たくさんのソファを見て座って確かめていただいています。
石堂
イスやテーブルは実際に腰掛けてみてはじめて良さがわかるところがありますからね。私のクライアントのなかでも、どのように過ごしたいか、はっきりしたイメージをお持ちの方には御社の商品は好評ですね。じっくりと比較されて、最終的にはご自分の中にある美意識や審美眼といった感性を大切に、満足のいく家具を見つけ出されます。

永い目で選ぶ、クオリティの高い商品
使い込むほどに愛着が湧いてくる家具

松井 伸一さん

石堂
ここ数年、トレンドとして無垢材家具に注目が集まっています。時代的な流れとして、量販店などの価格帯が安いものが人気のようですが、安いものはやはり作りが甘かったり、すぐへたれるものも多いですよね。
松井様
購入していただいたものは、いつまでも安心して使っていただきたいですよね。本物の家具は長く付き合うほど、それが味わいとなり、愛着が生まれ、家族の一員のような存在となっていきます。安い家具はたとえ見た目が同じでも、やはり本物の家具とは違う。素材はもちろん、使い心地や機能に格段の差があります。たとえば同じナラの木でも国内外でも材質が変わってきます。そのようなことをご説明し、理解いただくことが大事ですね。
石堂
そうですね。こちらからの押し付けではなく、お客様に納得・理解いただかないと。仕事柄、プライベートで利用する飲食店でもつい照明やインテリアに目がいくのですが、いいバーはインテリアや照明も一流の本物を使っていますね。無垢一枚板のバーカウンターはずっしりと重量感があり、それだけで空間の雰囲気が素晴らしいものになっている。最近の目の肥えたお客さまのなかには、バーのようなリビングにとか、カフェのようなキッチンに、という方も増えてきていますね。ご自分の想いやこだわりを住まいに実現されることで、その空間を愛しみ、大切にされています。
能口様
大事に使うことは、生活そのものを大切に思うことにつながります。その時々のまにあわせで過ごすのではなく、住まいに馴染み、いつまでも安心して使える家具をオススメしています。弊社は私の父・能口和一と叔父にあたる能口彌一郎が1950年にナンバの千日前道具屋筋で開業したのですが、創業当初より取り扱っている飛騨地区の家具はまさにそのような家具の代表ですね。安心して身体を預けられる頑丈さ、触って心地よい木の質感、天然木を活かした飾り気のないデザイン。傷んだ部品を交換できるメンテナンスのアフターサービスの充実など、永く使われることを前提として設計されています。
石堂
いいモノに囲まれた空間では、心からリラックスできる、豊かな時間を実感できますよね。
松井様
良い家具を永く使うということは、自然環境を守る近道だと考えています。限りある木は無駄に伐採したくないですものね。何百年も生きた木は、建物や家具の部材となってもその樹齢分だけ生き続けると言われています。次の木々が育つまで、ずっと大切に使える家具になるのです。
石堂
大量生産して廃棄を繰り返すのではない、エコな家具や照明に興味を持つ方が増えていますね。例えば、照明のLEDは省エネで長寿命、環境にも配慮しているという点で、新光源の中では話題になっています。しかし、その一方で白熱灯が五感に訴えかける雰囲気と暖かな色味は、LED電球では決して出せないものなんですね。ですから時代の流れだからとか、ブームだからとかですべての光源をLEDにするのではなく、温かな色みの白熱灯もうまく組み合わせて、毎日の生活に自然ととけこみ、何十年にもわたり、心地よさと快適な暮らしを提供できるようプランニングしていきたいと思います。

「飛騨の匠」と呼ばれる職人たちによって作り出された飛騨家具。張替えや修理などのアフターメンテナンスの受け入れも万全


フジワラの営業力・プランニング力を
大彌リビングの豊富な商品力で完璧フォロー 

石堂
大彌リビングさんでは、家具業界を盛り上げるべく家具のサイト【家具の情報(http://kagu.ne.jp)】を発信されているそうですね。
能口様
はい、2003年に開設し、新商品のご紹介や業界の動向などをご紹介しています。家具卸業だけでなく、家具業界全体を盛り上げたいと、関西における家具の街・立花通りや堀江の街興しを実施したり、新進インテリアデザイナーのプロモーションを手がけたり、新しい分野の開拓にも注力しているんですよ。
石堂
ぜひ拝読して、勉強させてもらいます。私のクライアントさんは主に設計事務所や店舗デザイナーさんがほとんどなので、インテリアにこだわりをお持ちなんでですね。イタリア・ミラノで開催される家具展示会の最先端家具から日本の伝統家具、人気の高い北欧系家具など、豊富な商品をショールームで展示されている大彌リビングさんとお仕事できることはとても心強いです。
松井様
こちらこそ、よろしくお願いいたします。弊社の商品は良いものであるという確固たる自信はあるのですが、いかんせん自社社員が「これはいい家具です」と言っても説得力に欠けますからね(笑)。石堂さんのクライアントさんである建築・設計事務所、デザイン設計事務所の設計士の先生やインテリアコーディネーターさんなど、プロの方にお認めいただき、オススメいただくのが一番だと考えています。
石堂
大彌リビングさんと力をあわせ、すばらしい空間作りをご提案していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社大彌リビング

1950年創業の関西家具卸業の老舗。飛騨地方の家具メーカーの卸として専門店や百貨店に基盤を作ると同時に、早くから設計外商部を持ち、別注家具やレイアウト図面などのコントラクトビジネスでの実績を重ねる。現在、新しい家具ショップの提案として大阪・立花通りに「scale(スケール)」、大丸神戸店7Fに「Styling Lab」を展開、オリジナルの新しい家具も提案。

http://daiya.com/

能口 仁宏さん

創業者のひとり、能口和一さんのご子息で、家具卸業はもちろん、新規ショップのオープンやオリジナル商品の開発、新進デザイナーのプロモーションなど、次々と新規事業立ち上げる“家具界の必殺仕掛人”。学生時代より有名情報誌の創刊やイベントなど、数々のベンチャービジネスを成功させた実績をもつクリエーターで、立花通り、堀江などの街興しの立役者としても知られる。

松井 伸一さん

長年、コントラクト事業担当として培ったノウハウをベースに、設計課に移った現在は家具メーカーとデザイナーとの間を取り持つ潤滑油的存在として活躍。実用性とデザイン性を兼ね備えた商品の開発に注力。良いものを持っていることの誇りを失わずに、市場に合わせた提案を行い、良い製品を理解でき、購入できるハイエンドな顧客層を開拓していきたいと語る。

【特集】メーカー×フジワラ 対談

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